介護問題の課題は山積み?不足する高齢者受け皿について

福祉先進国は北欧を中心とするヨーロッパ社会で、日本は充実していないと思われがちです。

保険制度そのものが公的に整備されていないアメリカに比べると、充分な福祉対策が整っています。

加速する少子高齢化のために、政府の高齢者対策が追い付かないのが実情です。

超高齢化社会へ向かう日本の現状

日本人の平均寿命は女性が86.61歳で世界第一位、男性は世界第三位の80.21歳です。

日本は世界でトップクラスの長寿国ですが、健康寿命と平均寿命との間には女性12.4歳、男性9.02歳の差があり、開きが拡大する傾向にあります。

65歳以上給付される医療給付費と介護給付金は、社会保障給付費の49.6パーセントを占め、団塊の世代が後期高齢者になる2025年には現在より1.7倍になると計算されています。

一人あたりに支給される医療給付費は、65歳未満に対して65歳以上は4倍です。

65歳以上の高齢者の割合は現在24パーセント、2025年には33パーセント、さらに2050年には40パーセントを超えると推計されています。

世界トップクラスの長寿国でありながら、10年前後にわたり介護が必要になり、高齢者を支える65歳以下の負担の大きさがうかがえます。

家族にゆだねられる直接的高齢者介護の負担、社会保険料や介護保険料の増額という間接的負担を強いられているのです。

要介護高齢者を受け入れる施設不足をどうするか

生産労働者の4倍にあたる高齢者医療費は、日本社会全体の損失です。

高齢者の人は助けを借りず意欲的に生活できる健康寿命を延ばし、平均寿命に近づけなくてはなりません。

病気になってから治療するのではなく、病気を未然に防ぐことで医療費の削減ができます。

現役時代は企業の健康診断などで健康管理ができますが、退職後は遠ざかりやすいものです。

公的機関による有料無料健診の整備と徹底した広報、また受診者意識の啓蒙が必要です。

身体的疾患ばかりでなく、認知症や老人性精神疾患の対応が望まれます。

政府は特別養護老人ホームを主体にサービス付き高齢者向け住宅など介護施設の増床対策を打ち出し、毎年1000億円以上を投入しています。

介護サービスを機能させる介護職員の確保や、離職防止対策にも力を注いでいます。

しかし現状の推移から、介護を必要とする高齢者のすべての受け入れられる施設が整備されるとは言い切れないでしょう。

家族を在宅で介護する場合、介護者一人で抱え込まないで訪問やディケアなど介護サービスを活用するのも大切です。

個人の税負担率はスウェーデンと比べると日本は個人所得税、消費課税とも10パーセント以上少ないのです。

福祉最先端国では生産労働者の税負担が大きいといえるでしょう。

多くの課題を抱える日本の介護問題ですが、高齢者も高齢者を支える介護者も一人一人の問題としてとらえる必要があるようです。