高齢者虐待はなぜ発生するの?たびたび話題になる事件の裏側

高齢者虐待の相談や通報は年間24000件にのぼり、そのうち15000件が虐待と判断されています。

虐待は介護施設より高齢者が暮らす家庭での発生が圧倒的に多く、時には取り返しのつかない事件にまで発展しています。

高齢者虐待とは

高齢者虐待は殴る蹴るといった身体的虐待、威圧的な体動や言動をとったり無視をしたりという心理的虐待、食事を与えないお風呂に入れないなど介護放棄の虐待が主です。

要介護者の財産を横領したり、お金の使用を制限する経済的虐待、性器に接触したり下半身を裸で放置するなどの性的虐待もあげられます。

最も多いのは身体的虐待ですが、複数の虐待を同時に受けている高齢者もいます。

虐待を受けた高齢者の85パーセントが認知症患者で、症状が重いほど被害者になりやすい傾向がみられました。

介護施設内で起こる虐待の理由は人手不足による疲労、職場の人間関係からくるストレスが考えられます。

介護のプロですからそれだけの理由が虐待の引き金ではありませんが、認知症の人特有の暴言や暴力につい感情的になることもあるでしょう。

同じことを何度もくどくど話しかけられると時間にゆとりがないだけにイライラしてしまいます。

虐待の裏側に認知症ケアのむずかしさが潜んでいるようです。

家庭内でおこる虐待の背景

家庭で起きる高齢者虐待の加害者は、実の息子が41.6パーセントで最も多くなっています。

年齢的には40歳から59歳が該当し、要介護者と二人でヘルパーなど外部支援を受けていない世帯が高齢者虐待につながりやすいようです。

痴呆症患者とはコミュニケーションがとりづらく、反抗されたり暴言を吐かれたり時には暴力を振るわれます。

実の父親、母親の変貌ぶりが情けなく感じ、責任をもって一生懸命介護しているにもかかわらず受け入れられない状況に失望も覚えます。

介護に専念するために離職していると、社会から取り残された疎外感にさいなまれ親を怨む気持ちがくすぶるようです。

退職金や失業保険金はやがて底をつき経済的に困窮に追い込まれると先の見えない介護生活に絶望が伴ってきます。

実の息子について多い虐待者は18.3パーセントの夫です。

男性には計画通りに進まない介護に加え、慣れない家事をひとりでこなす負担も大きいようです。

介護疲れ殺人や心中事件は過去14年間に550件発生し、加害者の73.2パーセントが男性でした。

高齢者虐待を重く見た厚生労働省は実態調査をもとに高齢者虐待防止法を発令しました。

介護施設や家庭での虐待を防止するマニュアルの整備も自治体を中心に進んでいます。

介護者が要介護者と二人だけで孤立させない社会のバックアップ、特に男性介護者への支援に力を注ぐ必要があるようです。

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