日本特有の問題である介護難民が生まれてしまう原因と対策

要介護でありながら介護の受け入れ先がない人たちの増大から介護難民という言葉が生まれました。

介護は家庭、病院、施設が分担していますが、いずれの介護支援も受けられない要介護者は不安を抱えながら自力で頑張るほかはないのでしょうか。

介護難民が生まれた原因

医療制度改革関連法に基づき、療養病床の大幅な削減が実施されたのは2011年です。

療養病床利用の高齢者医療費を抑制するのが目的でした。

療養病床利用者の約半数を占めるのは、社会的入院者と呼ばれる医療を必要としないが家庭などの介護が望めないために入院し続ける高齢者だったからです。

医療療養病床10万床と介護療養病床13万床が全廃され、合わせて23万人の高齢者があふれました。

療養病床より医療費や軽減される老健施設やケアハウスに23万人を移動させる構想でしたが、実際には充分な施設が確保できていたわけではなく、路頭に迷う羽目になったのです。

厚生労働省の発表では現在55万人の施設入居待機者がカウントされ、2025年には70万人に増大すると推計されています。

有料老人ホームや高齢者向け住宅は介護難民の救い手か

比較的短期の待機時間で入所できる施設には、民間の介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームがあります。

認知症や要介護5まで受け入れられ、終の棲家としてホームで看取りも可能です。

介護を必要としない自立高齢者も入所できるので、環境にもなじみやすく、人間関係も構築しやすく第二の人生を過ごす場所として安定しています。

問題は高額な入所一時金のほかに、毎月の管理費が支払える人に限られた施設だということです。

初期費用が抑えられ比較的手軽な月額利用で入居できる高齢者向け賃貸住宅は、民間事業ですが都道府県で認定された施設です。

安否確認や家事補助のサービス付き住宅もあり、世帯収入が基準以下なら国と自治体から補助が受けられます。

基本的に自立者を対象としているので、介護が必要になった場合は入居者個人が介護支援契約を結ぶか退去しなくてはならない点に不安が残ります。

介護難民解消の対策

政府が介護難民状態を放置しているわけではありません。

特別養護老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の増設や、建設地の確保に国有地を貸し出す方針を打ち出しています。

不足している介護職員の育成や確保、離職率の低減、また外国人労働者の導入などの数々の対策を講じています。

介護職員の増員や入所希望要介護者の待機期間短縮などが改善されつつあります。

希望者のほとんどが特別養護老人ホームに入所できる自治体も出てきましたが、地域によっては数か月から数年の長い待機時間は解消されないままです。

介護難民問題解決までは、介護サービスの情報を収集し上手な利用者になる心構えが必要です。

介護難民が生まれた背景には介護施設や介護職員の不足に加え、核家族化や女性の社会進出、非婚率の上昇などで家族を介護したくても専念できない状況があります。

日本の福祉は申告してはじめてサービスが受けられる仕組みになっています。

介護問題が鼻先に突き付けられる前に介護の現状や福祉制度を正しく把握している必要があるでしょう

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