老老介護や認認介護の厳しい現実と今後の課題について

少子高齢化社会の日本では高齢者が高齢者を介護する老々介護、認知症高齢者が認知症高齢者を介護する認認介護が社会問題になっています。

周りに知られることなく孤立した老老介護や認認介護の実情と今後の対策を考えていきましょう。

老々介護を生む背景と実態

国民生活基礎調査によると65歳以上の高齢者世帯は25パーセントを上回っています。

家族が要介護になった場合配偶者が介護する割合は全体の40パーセントを占め、ついて兄弟や姉妹が介護するケース、高齢の子が父母を介護するケースが続きます。

老々介護に陥るのは、介護は家族がするものという考えに縛られているのも一因です。

他人の力を借りるのは世間に甘えていると思う人や、外部者を家に入れるのに抵抗感を持つ人が多いようです。

実際に訪問ヘルパーやディサービス、ショートスティなどの介護サービスを利用する割合は、単独世帯や二世帯三世帯に比べて低い数値になっています。

65歳以下の子供がいても子供には子供の生活がある、面倒をかけたくないと思う傾向があります。

しかし65歳以上になると介護者の体力や筋力は日増しに衰え、要介護者を適切に介護できず要介護レベルが進行してさらに負担が増す悪循環を生みだします。

認認介護の実際と抱える問題

5年から9年が28.0パーセント、10年以上介護している世帯は19.2パーセントにのぼりました。

認知症発症率は65歳から69歳では1.5パーセントですが、年齢が5歳上がるごとに2倍2倍に増えていき、85歳以上では3人に1人が認知症と診断されています。

長期に老々介護を続けるうちにいつの間にか認知症を発症する事例がうかがえます。

一人が認知症になるともう一人が認知症を発症する確率は6倍と言われ、認知症と気づかず治療を受けないまま重症に陥るケースがみられます。

認認介護では公的介護や支援のサービスを申請すらできず、社会から遮断されていきます。

食事を摂らないあるいは摂れなくて低栄養状態からくる病死や餓死、火の不始末による火事の犠牲者、認知症高齢者を狙う詐欺の被害者など痛ましい顛末が待ち構えています。

老老介護、認認介護を防ぐために

認認介護を生むベースに老老介護があり、高齢者同士が介護しなくてはならない実態の改善は必至です。

入居型介護施設の増設と訪問や通所形態の介護サービスの充実はもとより、高齢者にもわかりやすいインフォメーションが望まれます。

将来必要になったらすぐに利用できるように、介護支援の情報を収集しておくのも必要です。

日本の福祉支援は黙っていて手が差し伸べられるのではありません。

活用するには本人の申請が必要だということを理解しておきましょう。

地域社会では介護の相互協力体制を整備する構想が進み、高齢者を孤立させない対策が整いつつあります。

核家族化が浸透する現代ですが、お互いの生活を尊重しつつ親族の安否や健康状態を一歩踏み込んで確認する勇気が大切です。

先進福祉国家の日本でありながら、老々介護や認認介護という社会のひずみが生まれています。

高齢者介護政策のたびたびの改正やわかりづらさもありますが、高齢者の個人的考えや周囲の無関心などにも原因が潜んでいるかもしれません。

私たちが一人一人の問題として対峙していきましょう。

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